こんばんは。
蒲原屋三代目、かんぶつマエストロのしんやことみです。
今日は、終戦記念日ですね。
私の叔父にあたる人は戦争で亡くなっています。
正確には、出兵先で病に倒れたらしいです。
だから、母は何かにつけて戦争の話をしていました。
そして、戦争をしてはダメだと。
すいとんを作るたびに「戦時中はこんなに具は入っていないんだからね!」と何度も言っていました。
私は子どもの頃から、なぜかすいとんが好きだったから「具がなくても美味しいから平気」なんて思っていたけれど、
母が本当に伝えたかったのは、「今がいかに恵まれている状態なのだ。」ということだったんでしょう。
そして、農家の娘だった母は、
「家族が病気だから卵を譲って欲しいと街の人がよくやってきた。うちには鶏がいたからね。」
「いくらお金があっても食べ物がないと生きていけない。うちは百姓だから食べる物には困らなかった。」
そんなことをなぜか繰り返して言っていました。
それ以外にも、お風呂のお湯は流さず溜めて寝る。
着替えは枕元に置いて寝る。
いつも不思議でしたが、今考えたら戦時中の名残だったのかもしれません。
それほど幼い母の中に色濃く残った戦争の記憶。
だからなのか、わたしは戦争がやっぱり嫌いです。
何かあったら戦えばいいと言う人もいます。
でも、母の色々な話をきいていただけにどうしてもそうは思えない。
あー、教育て勉強だけではないんだな。
しみじみ思います。
そして、食にこだわっている自分はやっぱり母の娘だと思うのです。
今日は、終戦記念日。
お盆よりも、わたしには身近な一日かもしれません。
やっぱり、こんな日はすいとんですね。
店にすいとん粉で、すいとんを作りました。
すいとんは、本来地粉で作るものです。
しかし、このすいとん粉は、少しもっちりが強くなるように粉をブレンドしています。
昔食べたすいとんよりは格段にもっちりして美味しい。
最近は、もっぱらこのすいとん粉で作ります。
もっちり具合が絶妙で、あとからあとからすいとんを食べたくなる。
ご飯が足りない時などに、すいとんを作れば美味しくて温まっておなかの足しにもなる。
一石二鳥!
そして、このすいとん粉はお汁粉にも合うんです。
おもちがない時でも、このすいとん粉に水を足してスプーンですくって落として煮るだけ。
本当に美味しくて便利。
あぁ、母にも食べさせてあげたかったな。
でも、「あんたのすいとんは贅沢ねー。」と言われそう。
終戦記念日は、母を思い出しながら平和への祈りを捧げます。
ちなみに、今日のすいとんは店の冷蔵庫にあったあまり野菜のみ。
それでも美味しかったです。
すいとんのパワー恐るべし。
みなさんにとって乾物が身近にありますように。
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